[レポート] VUCA時代のプロダクト開発 – ユーザに寄り添う『PLO(Product-led Organization) – プロダクトデータを軸とした顧客中心組織』とは? #pmconf2021

[レポート] VUCA時代のプロダクト開発 – ユーザに寄り添う『PLO(Product-led Organization) – プロダクトデータを軸とした顧客中心組織』とは? #pmconf2021

Clock Icon2021.11.08

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

2021年10月26日(火)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2021』がオンライン形式で開催されました。

当エントリでは、ブレイクアウトセッション『VUCA時代のプロダクト開発 - ユーザに寄り添う『PLO(Product-led Organization) - プロダクトデータを軸とした顧客中心組織』とは?』の参加(視聴)レポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

セッション概要は以下の通りです。

[タイトル]
VUCA時代のプロダクト開発 - ユーザに寄り添う『PLO(Product-led Organization) - プロダクトデータを軸とした顧客中心組織』とは?

[登壇者]
・大山 忍氏(Pendo.io Japan株式会社 / カスタマーサクセス ディレクター)

[セッション概要]
「すべての企業がソフトウエア会社になる」と言われて、久しい。銀行では残高確認・送金指示にオンラインバンキングを、電気自動車にはソフトウエアが組み込まれ常にアップデートされるなど、業界・業種問わずソフトウエアが日常生活の一部となりつつある。

企業だけではない。コロナ禍において、自治体の行政手続きのオンライン化は喫緊の課題だ。

このVUCAの時代に、誰一人取り残さないために、ユーザに寄り添ったソフトウエアを、スピードと柔軟性を持って市場に投入していくには、日本の企業と行政はプロダクトアウトから脱却し、アジャイル開発を支える組織に変わる必要がある。

自身も14歳からソフトウエア開発を始め、シリアルアントレプレナーかつ、CTO/ CPO (Chief Product Officer)として米国で上場経験もある、Pendo創業者CEO、Todd Olsenが2020年に上梓した著書『The Product-led organization』から、製品のローンチとユーザの活用・定着化の章をベースに、開発部門だけでなく、企業の組織全体としてデータを活用しながら、顧客中心の組織になるためのポイントを紹介する。
(※以上、公式サイトより引用)

 

セッションレポート

 

はじめに

  • Pendoの概要
    • ミッション:世界のソフトウェア体験の向上
    • サービス:ソフトウェアの「分析と活用・定着化」を促進するSaaSプラットフォーム
    • 創業:2013年10月
    • お客様数:2000社以上

  • 全ての企業はソフトウェア企業になる
  • シティバンクはUXの重要性の「勉強料」として5億ドルを支払うことに

 

VUCA時代のプロダクト開発に求められること

  • VUCA(将来の予測が困難な状況)時代にプロダクト開発に求められることは?
    1. Data:顧客の変化に気付き、ニーズをタイムリーに吸い上げる
    2. Speed:最も価値の高い活動に人材と時間を注力し、プロダクトを進化させ、ユーザーに利用・定着させる
  • Product-led(プロダクト主導)という考え方
    • Human-led(人間主導)のものをどうやってデジタル且つプロダクト主導のものに移行出来るか
    • Hi-Volume(大量に発生している)だがLow-Value(価値の低い)な活動をデジタルに移行するのがポイント。これにより、人がより価値の高い活動に注力出来る
    • Product-ledの例:Amazon Go
  • PLGへの期待の高まり
    • 日本の主要メディアでもPLG(プロダクト・レッド・グロース)が用語として登場
  • Product-Led Growth(PLG)とは?
    • 『プロダクトでプロダクトを売る』SaaS企業の成長戦略(対義語はSales-Led Growth)
    • 如何に営業マンを介さずに有償の顧客を増やして、売上の成長を伸ばすか
    • PLG企業は上場後も高い成長率を維持、企業価値も他のソフトウェア銘柄より2倍以上高い
    • フリーミアム:無償のトライアル利用から有償ユーザーへ切り替えていくプラン。コロナ禍の中でこの戦略を採って売上を伸ばしたのがZoom。
      • Web会議の時間がおよそ45分程度であることをデータから導き出し、無料版の利用可能時間を40分に設定、Zoomの価値を実際に体験してもらいつつ、有償版への切り替えを促す戦略を採った

 

プロダクト主導の組織

  • PLGの基盤:顧客体験
  • 顧客に寄り添って企業が成長するためには組織そのものも変わらなければいけない
  • ...という考えに基づき、創業者が本を書きました
  • 書籍のポイント
    • プロダクトを顧客体験の主軸に据える:プロダクト主導の組織(Product-led organization)とは何か?
    • 人の手(営業)を介さずに顧客とブランドの関係が成立すること
    • デジタルの顧客体験を中心に顧客に価値を提供するために組織を設計、連携させることが重要
    • プロダクトを軸とした組織連携
      • 営業
      • カスタマーサクセス
      • マーケティング
      • サポート&サービス
    • プロダクトは新しいマーケティング
      • 米国ではG2のようなユーザーレビューがSaaSの購買に大きな影響をもたらしている
      • 良い評価をしたユーザーをレビューサイトに誘導・回答を促すようなアクションも重要なマーケティング活動になっている
      • 適切なオンボーディング(新規ユーザーに対するサービスの使い方を理解してもらう、価値を認識してもらう一連のサポート)の実施=満足度の高いユーザー
      • 多くの企業ではカスタマーサクセスがオンボーディングを担っているが、Pendo社が提供している『ガイド』というデジタルツールを使う事で幅広いユーザーにオンボーディング経験を提供出来る
    • 顧客満足は初期利用フェーズが重要
      • 早い段階で価値を認識してもらうことが大事
      • 2週間以内に利用を始めてもらったユーザのNPSスコアは、2週間以上経ったケースと比べて高い
    • ユーザーに何を達成させたいのか
      • 継続利用x実行したアクション
      • AHA MOMENT = 新しい発見、ひらめき /Facebookの場合『最初の10日間で7人の友達を作る』だった
  • プロダクト・デリバリーの新手法
    • プロダクト・リリース方法の進化
    • 今日の開発ではアジャイル手法を取り入れ、一般公開(GA)前に幾つかのβ版公開のフェーズを設けられるようになった
    • こういったプロセスを取り込む事によって、仮説に対する実際のユーザーの行動分析を行い、フィードバックをプロダクトに反映してニーズに即した機能を一般公開することが出来るようになった
  • 顧客フィードバックの管理
    • プロダクトリリース後のVoC:顧客の声を吸い上げ、プロダクトを修正・改善
      • 顧客からのフィードバックを社内で管理し、優先順位を付けて取り組む体制
      • 顧客とのフィードバックループを実現
  • チームをつなぐ組織(プロダクト・オペレーション)
    • ゴール:組織間を調整する

 

総括

  • プロダクト主導(Product-Led)は企業の成長戦略だけでなく、顧客に寄り添いながら効率的に顧客の価値に意識を促して企業価値を高める、という戦略
  • プロダクト主導の組織を作る際のポイント
    • プロダクトに関する意思決定にデータを活用
    • プロダクトを顧客体験の主軸に据える
    • プロダクト・デリバリー方法を改善する
  • VUCA時代の挑戦
    • プロダクトは人間からどんな負荷を軽減させることが出来るか?

 

まとめ

という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2021のセッション『VUCA時代のプロダクト開発 - ユーザに寄り添う『PLO(Product-led Organization) - プロダクトデータを軸とした顧客中心組織』とは?』の視聴レポートでした。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.